2024/08/05 16:12
メテオスの山田です。
メテオスは隕石を原石から加工することにこだわっています。正直なところ、加工されたものを買ってある方が100億倍ラクです。
がしかし、塊から切ることに使命を感じています。
なぜなら隕石は真贋問題が難しいからです。
ご存知かもしれませんが、世の中に出回っているギベオン隕石のほとんどがギベオン隕石ではありません。
隕石=メテオライト=ギベオンみたいな風潮がありまして、隕石を見て「ギベオンだ!」というのが一般的です。
特にムオニオナルスタ隕石とギベオン隕石の見分け方は非常に難しいです。模様が似ているので、目視による感覚でしか判別出来ないと思っています。
それはあくまでスライス品の話です。
切られる前の原石を見たら、誰がどう見ても別物に見えるのです。
なので私たちは原石から加工することにこだわっています。
ですから、隕石の保管には凄く気を使っています。絶対に他の隕石とごちゃごちゃにならないように細心の注意をしなくてはいけません。
原石から加工することで、切る手間が増え、模様を出す手間が増え、防サビの手間が増え、在庫管理の手間が増えと、大量の手間が増えるわけです。
その手間の対価として、安心を得られるのです。というか、そこまで手間をかけてでしか、安心を得られないと思っています。
商売において大切なものはたくさんありますが、お金で買えないものの代表格が経歴と信用(安心)です。
私たちも老舗の隕石屋を名乗りたいですが、残念ながら無理です。時間をかけて歳を重ねるしかありません。が、安心感は作り上げることが出来ます。
天然石の展示会に出展していた頃は、信じられない金額で隕石かどうか分からない物を販売している人を見て、悲しくなりました。
「この業界、どうかしてるよ…」
今だから言えますが、そんなことを心の中で思っていました。
ネットで買うと偽物を買ってしまうかもしれないから、直接見て買いたい。天然石の展示会イベントであれば、大丈夫だろう。
きっとそんな気持ちでお客さんはショッピングをしているのでしょうが、残念ながら隕石はそうではありません。
そこに安心が無かったので、私たちの隕石だけは安心して買えるようにしようと思ったのが、3年前です。
今ではスーパーマシーンを使ってサックサク切っていますが、ここまで来るのに3年、約1000日かかりましたね。
1日10時間、隕石に没頭したとして、1万時間ですか。我ながら頑張りましたね笑
実は世の中には1万時間の法則というのがあります。何事も1万時間全力で頑張ればプロになれるという法則です。
1万時間頑張れば、プロになれる。プロとは、お客さんから信用してもらえる事だと言い換えることが出来るでしょう。
もし、何かビジネスをやられている方がおりましたら参考にしてみてください。
とにかくガムシャラに隕石と向き合って、お客さんが安心して隕石ショッピングが出来る環境作りをこれからも頑張っていこうと思います。
さて、東京での打ち合わせが終わり、今から事務所に戻ります。
大きな隕石が3つも来たので、どのように加工するか考えます。実はこの時間、結構好きなんですよね笑
私にとっては、寝る時間も忘れて没頭出来る、至福の時間です。
打ち合わせも好きですが、やっぱり私は、隕石が好きです。