2024/05/31 11:28
メテオスの山田です。
GWに隕石の解体ショーライブ配信をしたこと、覚えているでしょうか?
これはその時にカットした大きなカンポデルシエロ隕石です。
カンポデルシエロといえば、小さくてシルバー色ピッカピカになった隕石っぽいフォルムを想像するでしょう。
隕石業界では、それを「クリスタルカンポデルシエロ」と言います。
国内外問わず人気の隕石で、比較的安く手に入れやすいです。
そんなカンポですが、1つ困った点があります。
サビです。
カンポはヒビが多い隕石の種類です。キャニオンディアブロやウルアクも同じ仲間になります。
一般的にそういう隕石は切断しません。なぜなら、ヒビが強すぎて割れてしまったり、そのヒビからサビが出やすくなるからです。
しかし、私たちは隕石のプロ。誰よりも隕石に興味があり、一般的には切断しないのであれば、切りたくなります。
実際にやってみると、本当にちゃんとサビました。
個人的にはカンポの切断面とウィドマンシュテッテン構造は大好きです。
ギベオンには無い迷彩柄のようなキラッキラしたあの模様がたまらんのです。
でも、サビてしまう…
では、サビを根本から無くせばいいのでは?と、思いつき調べに調べた結果、電気分解が有効だと分かりました。
金属に酸素がくっつく(酸化)とサビるので、金属から酸素を取れば(還元)理論上、サビません。
結果的にそれは非常に効果がある事が判明し、数日間の電気分解よりは長期間の方が効果が出やすいことも分かりました。
最低でも半年、理想は2年です。
これもまた電気の強さなども関係してきて、今でもその研究は続けています。
実は私には夢があります。
「サビない隕石を作りたい」
隕石を扱っている以上、永遠のテーマですが、いつかサビない隕石という商品を死ぬまでに作りたいと本気で思っています。
「メテオスの隕石って、サビないよね!」
そんな会話が隕石マルシェで飛び交う日を夢見て、今日も隕石と向き合います。
さてさて、もうすぐ東京。これから隕石体験談の撮影です。これもまた全集中で行ってきます。
では!