2024/03/30 19:34

メテオスの山田です。

我が社のギベオンが旅立ちました。vol.009の記事で取り上げたギベオンです。




ご注文いただいてから2週間後に納品したのですが、その期間の出来事をお話します。

大きく2つの大きな仕事をしていました。1つは土台作りです。

5kgのエンドカットをバランス良く立たせる土台作りは、プロしか作れません。

このギベオンは上と下で厚みが違います。普通、厚みがある方を下にするのですが、お客さんのこだわりで薄い方を下にするようにしました。

写真を見て分かるように、厚みのある方(上部)にはマニアにはたまらない亀裂があります。

更にこのギベオンには模様が2つあります。真ん中と側面の模様をよーくご覧ください。真ん中はギベオンらしいウィドマンシュテッテン構造が綺麗で、側面は波打っているように見えます。

これはクラッシュ体といって、地球に落下した衝撃によってウィドマンシュテッテン構造がグニャってなったそうです。

さて、薄い方を下にするとバランスが取りにくく素人が作ると安全な土台が作れません。

ですから今回はプロの土台作り職人さんにお願いしました。

10日ほどかけて土台を作ったあとは、私の出番です。そう、模様出しです。

ウィドマンシュテッテン構造は、強い酸性の液体をかけると浮かび上がってきます。

使用する液体や濃度、時間、室温によって模様の出方が変わるので、ギランギランにするレシピはありません。

最近では隕石を劇薬の中で触ってギラギラ具合を確認しています。

表面が酸性の液体に溶けて、ボコボコして、あの隕石の模様が出ますから、ギランギランのギベオンが1つでもあれば、その表面の感覚と同じになるまで液体に浸します。

その感覚は、1年間毎日隕石の模様出しをして、なんとなく分かる程度なので、100%ギランギランに仕上げるのは至難の業です。

同じギベオンでも個体が異なれば、全く同じ条件で模様出しをしても仕上がりが変わります。

そんな運ゲーとも言える模様出しには、つきっきりで丸1日かかりました。

ギランギランのタイミングを超えると黒くなってしまいます。そうなったらまた模様を消して1からやり直しです。

そのタイミングは約30秒。

今回の場合、大型で切断面が大きいのでムラにならないようにも神経を使います。

結果的に、過去一のギランギランに出来ました。その模様出しの様子は近日中にYouTubeにアップしますので是非ご覧ください。

そんな2週間でした。

やることは少なかったですが、今までの経験があったからこそ出来た仕事だったような気がします。

このギベオンは無事に届いたようで、今日もギランギランして家族を見守っています(^^)